相続における遺産分割協議書とは?

相続

こんにちは。

行政書士事務所はなだより
代表行政書士の東尚輝です。

今回は【遺産分割協議書】について分かりやすく解説します。

☆遺産分割協議書とは何か?

遺産分割協議書とは、相続人全員によって相続財産をどのように分けるか
を話し合う遺産分割協議において、合意にいたった内容を書面に取りまとめた文書
のことをいいます。

遺産分割協議書はまさに相続の集大成といっても過言ではありません。

遺産分割協議書が無ければ、銀行預金の解約や名義変更、不動産の相続登記
ができません。

また遺産分割に期限はありませんが、相続税の期限が被相続人が亡くなってから10カ月以内
されています。
そのため、それまでに遺産分割協議書を作ることが一つの目安期間といえます。

つまり、遺産分割協議書は相続税を申告して遺産を受け取る為の重要な書類となります。

相続人が確定して、すべての遺産が把握できて相続人全員の遺産分割協議が
まとまった段階で遺産分割協議書を作る段階になります。

☆遺産分割協議書はどうやって作ればよいか?

遺産分割協議書を作るときは、亡くなった方の出生から死亡までの連続した
戸籍謄本をすべて集めて相続人全員が参加しているか確かめる必要
があります。

また、遺産分割協議を行う前に亡くなった方の遺産すべて漏れなく見つけ出す為の
準備もいります。

遺産には、銀行預金や不動産などのプラスの財産のほかに、借金や債務保証など
のマイナスの財産もありますので注意が必要
です。
そのため財産目録のようなリストがあるとベターですね。

☆遺産を見つけ出すためのポイント

まずは亡くなった方のお部屋の中に保管されている書類を調べてみましょう。
以下のような書類があるとスムーズに進みます。

・固定資産税納税通知書
・預金通帳やキャッシュカード
・証券会社から送られる取引報告書
・生命保険の保険証書
・不動産の権利証
・古い有価証券

☆遺産分割協議書がないと財産争いに発展する可能性あり

被相続人が亡くなったあと、遺産分割協議を行い口約束のみで終わらせて
しまうケースも多くあります。
しかし、これはとてもリスクの高い行為です。

例えば以下のケースで考えてみます。

亡くなったAさんの遺産は預貯金4,000万

これを長男Bと次男Cで2,000万ずつ分けると口約束を交わした

まずBが預貯金4,000万を預かり、あとでCに2,000万を振り込むことに決め
遺産分割を終わらせた

その後BがCにお金を振り込む前に全額4,000万を使い果たし、
Cに対して「渡すお金はない」と開き直る

この場合、Bのとった行動は家族を裏切るひどい行為ですが
口約束という証明する手立てが何もない状態ではCは泣き寝入り
するほかありません。

もしこの場合に遺産分割協議書を作っていたとしたら、
家庭裁判所に調停の申し立てをすれば、証拠がある以上
Cに対して有利に事が進む可能性が高いといえます。

このように遺産分割協議書を作ることは、過去に行った遺産分割協議の
証拠資料
になります。
また、その内容を反故にしようとする人への抑止力が期待できるといえます。

そのため、どんな状況であれ遺産分割協議を行ったときには合わせて
遺産分割協議書を作ることをお勧め
いたします。

本内容がお役立て頂けましたら幸いです。

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