相続に活用できる空き家特例とは?注意点は?

相続

こんにちは。

行政書士事務所はなだより
代表行政書士の東尚輝です。

今回は近年の空き家問題を解決する方法の1つ
【空き家特例】について分かりやすく説明します。

☆空き家特例とは?

空き家特例とは相続によって取得した空き家を1億円以下で売却した場合に
利益(譲渡所得)が出ても、3,000万円までは課税しないという制度
です。

最大で600万円もの譲渡所得税を軽減できるこの制度ですが
実は適用要件がかなり厳しいものとなっております。

実務上、使えるケースはそこまで多くないのが現状です。

☆空き家特例の対象となるもの

空き家の特例の対象となる不動産については以下の条件があります。

【特例となる空き家の条件】

・建物だけでなく土地も相続していること

・相続があった日(亡くなった日)から3年を経過する日の属する年の年末までの間
 に売却したこと

・昭和56年5月31日以前に建築された建物であること
→「旧耐震基準の家」ということになります。

・区分所有建物(マンション)でないこと
→マンションの1室のような区分所有建物は対象外です。

・被相続人(亡くなった方)が亡くなる直前まで居住していた家であること

・同じ被相続人(亡くなった方)の相続ですでに空き家特例を利用していないこと

・買主は第三者で、配偶者や直系血族など、特別な関係の人に対する売却ではないこと

・相続の開始の直前において、被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと
→被相続人が1人暮らしであったことが要件となります。

・売却金額が1億円以下であること

・売却するとき建物がある場合は一定の耐震性が認められること、
 もしくは建物を解体して土地だけで売却していること

・相続してから売却するまで、賃貸に出したり、相続した人が住んだりしていないこと
→空き家であったことを意味します

☆空き家特例の注意点は?

この特例を使うことができるのは、被相続人の住んでいた自宅の土地と
建物両方を相続した上で以下どちらかの要件を満たす必要があります。

①建物を耐震リフォームして一定の耐震基準を満たしてから売却する
②建物を引き渡す前に取り壊して売却する

昭和56年5月31日以前に建築された建物というのは、築40年以上の家という
ことになりますのでわざわざ耐震リフォームをして売却するということは
あまり多くないように思われます。

また良く聞くのは引き渡し後に買主さんが取り壊しをして新しい家を建てる
パターンです。この場合は取り壊しをしていても、引き渡し前ではなく、
引渡し後の取り壊しになってしまうのでこの特例は使えなくなってしまうので
注意が必要です。

☆令和5年の改正点


・令和5年12月31日→令和9年12月31日に延長
・譲渡日の属する年の翌年2月15日までに取り壊し
・共有相続人3人以上の場合、2000万円の控除になる

本内容がお役立て頂けましたら幸いです。

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