自筆証書遺言と公正証書遺言どちらを選んだらいい?

遺言

こんにちは。

行政書士事務所はなだより
代表行政書士の東尚輝です。

『遺言書を作りたいのですが、自筆証書遺言と公正証書遺言どちらを
作ったほうがいいのでしょうか?』

今回はこのような質問に、両者のメリットデメリットも踏まえながら
できるだけ分かりやすくご説明します。

まず簡単に自筆証書遺言と公正証書遺言のおさらいをします。

☆自筆証書遺言のポイント

【作成方法】
遺言者自身が手書き(一部例外あり)で作成し、押印します。

【証人の可否】
不要です。

【遺言書の保管方法】
遺言者自身で保管、又は法務局での自筆証書遺言保管制度が利用できます。

【相続開始後の戸籍調査】
必要です。

☆公正証書遺言のポイント

【作成方法】
①公証役場で公証人と打ち合わせ、公正証書遺言の草案を事前に用意します。
②遺言者と証人2人が同席のもと、公証人が遺言原案を遺言者及び証人に読み聞かせ
又は閲覧させます。
③遺言者及び証人2人が署名・押印します。
④公証人が署名・押印します。

【証人の可否】
2人必要です。

【遺言書の保管方法】
原本は公証役場で保管され、遺言者には正本と謄本が保管されます。

【相続開始後の戸籍調査】
不要です。

では次に自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット、デメリットを比較していきましょう。

☆自筆証書遺言のメリット、デメリット

メリット
・自分1人で手軽に作成できるため費用はほとんどかかりません
・費用が安く済みます

デメリット
・書く手間や時間がかかります
→元気なうちに作成に取り組むことが対策に繋がります

・書き方に厳格なルールがあるため、要式不備で無効になる恐れがあります
→専門家に事前チェックを受けることで対策できます

・紛失、盗難、隠匿、偽造などの恐れがあります
→できる限りリスクを避けるため【自筆証書遺言保管制度】を活用されることをお勧めいたします

※自筆証書遺言保管制度について知りたい方はコチラ

・遺言者が亡くなったあと、法定相続人全員を特定するための戸籍収集が必要になるなど
相続手続きが大変になります
→かなりの時間と労力が必要になるので注意が必要です

☆公正証書遺言のメリット、デメリット

メリット
・実際に書く手間がほとんどかかりません
・要式不備で無効になる恐れが少ないです
・公証役場で原本を保管するので、紛失や盗難、隠匿、偽造の心配をする
必要がありません
・遺言者が亡くなったあと、家庭裁判所での検認、遺言書情報証明書交付手続きなどの面倒な手続き
が不要です)
(法定相続人全員を特定するための戸籍収集が不要です

デメリット
・公証人手数料などの費用がかかります
・公証人との事前打ち合わせ、当日の内容確認、証人(最低2名必要です)立会いなどの手間がかかります。

上記、見比べて頂くと【自筆証書遺言のデメリット4点】を【公正証書遺言のメリット4点】
をカバーしているのが分かると思います。

その他に私たちのような中立的な専門家の立場から言える点としては、公正証書遺言には
公文書としての目に見えない威力があり、相続人の納得が得られやすいため、可能であれば
公正証書遺言をお勧めしております。

冒頭にありました『遺言書を作りたいのですが、自筆証書遺言と公正証書遺言どちらを
作ったほうがいいのでしょうか?』という質問者様には以下のようにお答えします。

遺言書作成には手間暇がかかるので、この手間暇の部分を楽しみたいという方であれば
自筆証書遺言、手間暇に関してはお金で書いたいという方には公正証書遺言がお勧めです。

いずれにしても、皆様にとって非常に大切な遺言書の作成となります。
円満円滑な相続に繋がる遺言作成方法を選択頂けましたら幸いです。

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